【マリー・アントワネットの名言とブリオッシュ】

フランスの王妃マリー・アントワネットの名言として残る「パンがなければお菓子を食
べればいいじゃない」。これは、フランス革命前、貧困と食料難に陥った民衆に対して発
言したとされています。原文は “Qu'ils mangent de la brioche”直訳すると「彼らは、
ブリオッシュを食べるように」となります。ブリオッシュは現代ではパンの一種の扱いで
すが、お菓子の一種とも見なせる、バターと卵の多い「贅沢なパン」とされています。
 しかし、『オースーパージャンプ』(集英社)に掲載の漫画『マリー・アントワネット
の料理人』には異なる説が紹介されています。当時のパンには質の良い高価な小麦粉が使
われていましたが、それに対し、ブリオッシュは質の悪い安価な小麦粉が使われていまし
た。卵やバター、砂糖などを多く使って味付けされたのは、その小麦粉の質の悪さを補う
ためであり、パンより安価だったそうです。この説に従えば、かのアントワネットの台詞
は、理にかなった、まっとうな発言だったということになります。
 ちなみにこの異説を紹介している漫画の作中の描写では、主人公の料理人が「パンに劣
らない美味しいブリオッシュ」を作って民衆に提供するというハッピーエンドになってい
ます。もちろん、このエピソードがフィクションであることは言うまでもありません。